偏差値40の公立高校からイギリスの大学を卒業した元英会話講師のJIN( @ScratchhEnglish)です。
Duolingo English Testをひと言で表すなら「次世代の使いやすい英語テスト」
私がイギリスの大学に行った10年前、留学に使う英語テストはTOEFLかIELTSのほぼ二択でした。
そこで近年彗星のごとく現れたのがDuolingo English Test(略称DET)!
人気言語学習アプリのDuolingoが運営
飛ぶ鳥を落とす勢いで急成長を続けており、今やTOEFLやIELTSと並んで多くのアメリカの大学では英語力の証明と使えるようになっています。
情報発信する上で私も受験してみようと考えていますが、今回は取り急ぎDuolingo English Testを実際に受験されたアメリカの大学卒業者であるRikoさんにインタビューをして記事を作成しました。
まだ新しいテストだからこそ知っておきたい貴重な基礎情報をいろいろお聞きしました
- Duolingo English Testの基礎について理解できる
- TOEFLとはどのように違うのかわかる
- どんな大学で使えるのか紹介
次世代のテストってどういうこと?
受験者の能力に応じて出題される問題の難易度が変わったり、完全オンラインで受験できるところだね!
Duolingo English Testとはどんなテスト?基礎情報を簡単に解説
まずは受験方法から料金など、Duolingo English Testの基礎知識について簡単にまとめます。
実際にRikoさんが受験されて感じた難易度なども紹介いただいています!
Duolingo English Testのテスト概要
テストは英語4技能
- リーディング
- スピーキング
- ライティング
- リスニング
すべてをバランスよく使って回答する形式であり、費用や時間も類似テストのTOEFLと比較すると受験しやすいものとなっています。
以下は、Duolingo English TestとTOEFL試験内容を比較した表です。
Duolingo English Test | TOEFL | |
---|---|---|
費用 | 約7,000円 ($49USD) | 約40,000円 ($285USD) |
時間 | 約30分 | 3時間 |
時期 | 好きなときにいつでも | 月に3〜5回程度 |
場所 | 自宅からオンライン | 全国の試験会場※ |
試験時間30分!?
驚きの短さだよね、英検下位級よりも短い!
受験方法
Duolingo English Testは、完全オンラインで、自宅から受験できます。
どこかの受験センターへ足を運んでテストを受けるわけではないので、試験会場まで行く時間や交通費などを考えると簡単に受験できるのは嬉しいところです。
試験時間はなんとTOEFLのおよそ6分の1で、試験中の体力の負担を気にせずに集中できる
結果も受験後48時間以内にわかります。
他の英語の試験は最低でも結果がわかるまで1ヶ月はかかるものがほとんどなので、場所や時間に囚われにくい、非常に受けやすいテストと言えます。
ちなみに他のテストは結果発表までどれくらいの時間がかかるの?
たとえばIELTSのペーパーだと13日後、コンピューター版だと3~5日とされているよ
Duolingo English Testの難易度
Duolingo English Test | TOEFL | |
---|---|---|
Reading | ||
Listening | ||
Speaking | ||
Writing |
主観ではありますが、両方実際に受けたうえで感じた難易度を星で示しています。
Reading
Duolingoのリーディングテストは、日頃から洋書や英語を読む習慣がある方はとても楽に感じるレベルです。
一方、TOEFLの場合はTOEFLに特化した対策と、さまざまな分野(文化や科学など)の文章に慣れ親しんでおく必要があります。
TOEFLのリーディングに関しては、別の記事でも解説しているので興味がある方はご覧ください。
「洋書や英語を読む習慣がある方はとても楽に感じる」という言葉だけでTOEFLより簡単なのがわかるね
そうそう、TOEFLのリーディングは難しいもんね
Listening
Duolingoのリスニングテストは、聞こえたものをそのままタイピングするなど、従来の英語試験にはないパターンの問題が多いです。
一方でTOEFLは音声のスピードが比較的速く、時間配分にも気をつける必要があります。
TOEFLのリスニングに関しては、別の記事でも解説しているので興味がある方はご覧ください。
聞こえた英語をタイピング!?
いわゆるディクテーション形式の問題だね
Speaking
Duolingoのスピーキング部門では、あるシチュエーションに対して、自分ならどう対応するかについて答えるような質問があります。
一方TOEFLスピーキングでは、身近なトピックなどに対し、自分の意見をスラスラ言えるようにしておかなければなりません。
TOEFLのスピーキングに関しては、別の記事でも解説しているので興味がある方はご覧ください。
パソコンに話しかけるのって難しそう
僕もTOEFL iBTを受けたときに「やりづらい」と感じたよ
Writing
Duolingoのライティングは写真を見て、どのような状況か説明させるような問題があります。
一方、TOEFLでは要約したり自分の意見を書くエッセイ形式の問題もあり、TOEFLの方が英語力だけでなく思考力が求められる内容になっています。
TOEFLのライティングに関しては、別の記事でも解説しているので興味がある方はご覧ください。
エッセイ形式じゃないのは意外!
それだけでもTOEFLよりも簡単だとすぐにわかるよね
実際に両テスト受けた結論
私が実際に受けてみて、Duolingo English Testは、TOEFLや英検などと比較するとかなり受験しやすい印象を受けました。
元々発音やリスニングが得意とする方にはもってこいのテストと言えます。
具体的に言えば、英語学習中級者以上向けのテスト
唯一難しかったことといえば、時間が足りずに自動的に次の問題に進んでしまったとことくらい。
テストの構成上、1問1問に時間をたっぷり割いて解けるようにはなっていません。
時間設定が英検やTOEICなどのリーディング問題とは異なる点
Duolingo English Testの場合、前の問題に戻って回答は基本できないと考えてよいくらいです。
つまり、その場でスピード感を持って回答することに慣れておけば、難なくハイスコアを狙えます。
スピーキングに関しては、TOEFLと比較すると易しいと感じる受験者が多いはず
TOEFLの場合、社会問題などのさまざまな分野に対して興味関心を持ち、理由や根拠を伴った意見を持った上で回答することが望まれます。
Duolingoの場合は、TOEFLのように長い文章を答えさせるような問題は少ないです。
とあるエピソードに対して、自分であればどう対応するか?というような比較的簡単な設問が多く解きやすい
日ごろから英語で日記を書いたり、状況を説明できたりできるような訓練をしておけば問題ありません。
なるほど、慣れも少し必要そう・・・
形式が新しいから慣れは必要だろうね、Rikoさんが「時間が足りずに自動的に次の問題に進んでしまった」というように、慣れでスコアを落とすこともありそう
Duolingo English Testスコアの用途
結論から言うと、Duolingo English Testのスコアは海外の高校、大学受験、就活や転職でよく使われます。
用途はTOEFLとほぼ変わりませんが、受験のしやすさなどを考慮すると、圧倒的にDuolingo English Testの方がコストパフォーマンスが良いと言えます。
例えば、アメリカ都市部の大学では、多くの機関が入試でDuolingo English Testのスコアの利用を認めている
アメリカだけでも約1400もの大学がスコア利用を認めているので、使いやすいスコアと言えます。
試験の結果を追加料金なしで何校でも送ってもらえるサービスが展開されているのも特徴です。
どんな大学が認めているのかについては、公式サイトをチェックしてみてください!
使えるのはアメリカだけ?
実はそうでもなくて、イギリスやオーストラリアなどの英語圏はもちろん、世界中の教育機関で採用されているよ
Duolingo English Testの問題内容・配点・問題数
従来の英語の試験と、Duolingo English Testの英語4技能の捉え方はまったく異なります。
英語学習者び多くの方々はリーディング・リスニング・ライティング・スピーキングというカテゴリーで英語力の判断をします。
日本の大学入試や、英検、TOEFLやTOEICでも同じです。
Duolingoの公式ホームページでは、英語の技能測定は「テスト結果は、受験者がどれだけ自分の考えを聞き手と共有できるか」を基準としているという説明がある
実際に「使える」英語というのは、前述した英語4技能のように分かれているわけではなく
- Conversation「話して聞く」
- Production「書いて話す」
- Comprehension「聞いて読む」
- Literacy「読んで書く」
上記の能力にフォーカスして、従来とは違った分野で分けられます。
他の英語の試験とは大きく異なり、Duolingoのテストではすべての問題がランダムで出題されるのも特徴です。
従来の英語の試験はリーディングパート、リスニングパートのように大問が分かれているが、Duolingoの場合はConversation+Comprehensionの次にProduction+Literacyの問題が出てくる
問題の正答率によって受験者の解く問題の難易度が変化していくので、実際に解いた問題の正誤を受験者自身が確認することはできません。
最初の問題で正解し続けると、どんどん後の問題のレベルが上がります。
私自身も、解いていて問題がだんだん難しくなっていっていることを感じられました。
正答率によって問題の難易度が変化するのはおもしろいね!
次世代って感じだけど、TOEFLやIELTSに比べるとハックするのは難しいテストだと思う
Duolingo English Testで問われる能力
ここからは、Duolingo English Testで問われる特殊な英語能力について解説します。
Conversation「話して聞く」
英語ができるという基準を多くの方は「会話」で判断しています。
英語で会話をすることに焦点を当てたスクールや、教室が日本では数えきれないほどあるくらいです。
独学で勉強するのが難しく、英語学習者の中でも壁とされる分野でしょう。
Conversationの能力は、英検など他の英語の試験ではリスニングとスピーキングで分かれており、それぞれ技能の測定方法が異なる
前述したように、Duolingoは相手に伝えたいことを正しく伝えられるかに重きをおくテストですので、「話す、聞く」の能力は切り離せないと考えているようです。
「話して聞く」を一緒にするなんてはじめて聞いた!
でも、よくよく考えると理にかなっているし本質的だよね!
Production「書いて話す」
続いて、prodctionのセクションです。
あまり「書いて話す」に重きを置くテストは少ないので、どのような問題が出題されるのか想像がつかないでしょう。
私の苦手分野だ!
いわゆる「アウトプット技能」に重きを置いた項目だね
Comprehension「聞いて読む」
ある音声が流れ、それに対してどのような単語や文章を書いたり答えたりすべきかを考えさせる問題です。
Comprehensionというだけあって、英語のPodcastや動画を見て、感想を英語でハンドライティングするといったような、バランスの良い英語の勉強をすることで対策できます。
Literacy「読んで書く」
最後に、読み書きは英語の技能の中で最も重要なスキルのうちの一つで、このスキルを上げておくと他の試験の異なった問題形式でも臨機応変に対応できるようになります。
英検やTOEFLなどでは「ライティング」という項目で同様の能力を判断されますし、大学入試などでは英語の小論文として出題する学校も多いです。
以上がDuolingoで基本とされる4つの技能でした。
上記のうち、2つ組み合わされたものが実際に出題される
実際の問題例
具体的にDuolingoの公式ホームページの問題例を用いて見ていきましょう。
こちらはLiteracyとComprehensionが組み合わされた、文脈に合う英単語を入力する問題です。
単語力のみならず、文法や読解ができないと正しい答えを入力できません。
前置詞、接続詞などは答えやすいですが、名詞や動詞を入れる際少し考える必要があった
こちらはProductionとLiteracyのスキルを使います。
画像の説明を1文章以上でしなければならない問題ですが、難しい言葉で説明しなければならないわけではありません。
とっさに適切な表現を判断し、より正確に細かく書く方が重要です。
こちらはComprehensionとConversationのスキルを使う問題です。
クオーテーションマーク(“”)で括られた英文を20秒以内に読み上げます。
1度しか録音されないため、ミスは許されない
慎重に読み上げましょう。
こちらはComprehensionとConversationのスキルを使います。
各単語は実在するものとしないものが混ざって録音されています。
音を聞いて、実在するものだけにチェックを入れる問題
本当に存在しそうなものばかりで、答えるのに苦労した出題のうちのひとつでした。
これらの問題例の他にも、今まで他の英語の試験では見たことのないようなユニークな問題がたくさん出てきます。
無料で受験ができる練習テストなどを使って、ある程度どのようなものが出題されるか確認し、慣れておくのがオススメ
ただ、もともと英語力が高く、他の英語の試験で高得点を狙えるようなネイティブに近い英語学習者の方は、あまりじっくり対策する必要はないと個人的に思います。
すごい・・・こんな英語テスト見たことない!
僕の主観としては、他のテストより本当の英語理解力を測れそうなテストだと思ったよ!
Duolingo English Testはどんな人が受けるべき?
最後にDuolingo English Testはどんな人にオススメできるテストなのかについて、Rikoさんにお聞きしました。
留学に行きたい人
多くの場合、海外の大学に留学するにはTOEFLやIELTSのスコアが必要です。
ただ、受験料がTOEFLは約4万円、IELTSは27,500円かかり、経済的負担が大きいのが実情。
ただでさえ留学にお金がかかるのに、英語力を示す試験を受験するだけでも一苦労という方に、DuolingoEnglishTestはオススメ
高得点を取ることに時間がかかってしまうと、うまくいかなければ入学条件に満たせずに留学できなくなってしまう可能性も考えられます。
その点Duolingoは、TOEFLなどと比べると解きやすい問題が多く、何度も試験を受けられるので留学希望者にとってお得な試験といえます。
JINさんはどう思う?
「何度もトライできる」というのが肝だよね、僕がIELTSを受けたときは本当に一発勝負で1回に賭けていたから・・・
仕事でスキルとしての英語を役立てたい人
就職や転職で英語力を武器にしたいと思っている方はとても多いはずです。
ただ、仕事をこなしながら試験勉強にたくさんのお金と時間を費やすことは難しい。
そのような英語学習者の方にDuolingo English Testはオススメ
同じくらいの受験料であるTOEICで120分かけるよりも、約7000円を支払ってDuolingoで試験時間約30分の方が負担が少ないのは明らかです。
試験勉強のための参考書もDuolingoには現状用意されていません。
無料の練習テストなどで対策するのみなので、参考書や過去問に高い資金を費やすことなく試験を受けられます。
対策できない・・・かぁ・・・
対策できないとなると不安に陥るかもしれないけど、それは他の受験者も同じだから、本質的なガチンコ勝負ができると言えるね
簡単に自分の英語力を示したい人
特に留学や仕事で客観的に英語力を示す必要はないけれど、英語学習の力試しを気軽にしてみたい!という人にもDuolingo English Testはオススメ。
英検やTOEICなどの日本でメジャーな英語の試験は、試験会場でたくさんの人と同じ空間でテストすることになります。
仮に初めて行くような試験会場であったり、たまたま周りにいる他の受験者の立てる音が気になったりするような場合、100%の力を出し切れるかはわからないのが事実
Duolingoはそれらのリスクを避けて受験できます。
まず完全オンライン受験なので、家から出て会場に足を運ぶ必要がありません。
自宅というリラックスしやすい環境で集中して受験できるので、本来の自分の英語力をより正確に確かめられます。
気軽に自分の英語力をチェックしたいときにもよさそうね
うん、僕も定期的な英語力チェックという観点なら、値段の高いTOEFLやIELTS、比較的簡単なTOEICよりもいいと思う!
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