こんにちはイギリスに5年近く住み、トップボーイの物語設定であるハックニー地域にも何度か行ったことがあるJIN(@ScratchhEnglish)です。
Netflixをご契約の皆さん、そしてそうでない人も「トップボーイ」というドラマを知っていますでしょうか?
個人的にここ数年で観たドラマで一番面白かったドラマです。
ロンドンのストリートギャングを題材にしたドラマなのですが、そんな物語設定がイギリスのドラマらしくとてもスタイリッシュに描かれています。
アメリカのギャングものはたくさんの人が見た事あるかと思いますが、イギリス、ロンドンのものはどうでしょうか?
新鮮で面白いと思いますよ!
今回はそんなNetflixで配信されている海外ドラマ「トップボーイ」の大ファンでありイギリスにも5年近く住んだ筆者が「トップボーイ」を5倍楽しめる知識をこの記事に集約させます。
※この記事を読んでからトップボーイを観て頂く事を想定しているので物語に関するネタバレは無しで書いていきますので安心してください!
トップボーイのキャストは超豪華
出典:Amazon.co.uk
出演者のほとんどが俳優素人
トップボーイの魅力はとにかくロンドンのストリートを忠実に再現しようとしている点です。
多くのギャングもの映画やドラマは結構普通の俳優を起用するものが多いかと思います、少なくとも主演はプロの俳優が演じているでしょう。
しかしトップボーイは違います、ほとんどの役にロンドンのストリートにバックグラウンドを持つ人物を起用し、主演の1人は演技に関してほぼ素人同然です(ただ作品を見ていただくと分かりますが凄いリアルな演技)
そんなリアリティを追求するところがまずトップボーイ1つ目の魅力です。
トップボーイの豪華キャストにはどんな人がいる?
俳優的には無名ばかりといいましたが、トップボーイのキャストは豪華です。
キャストの中にはロンドンラップ、ロンドングライムシーンをけん引する大物MCが出演しています。
今回はキャストのうち特に注目して欲しい大物2人紹介します。
Kano(ケイノー)
ステージネーム「Kano」で活躍するKane Robinsonは、ロンドンのグライムシーンにおけるパイオニア的存在の一人。
演技経験がほとんどないにも関わらず主演の1人を務めています。
13歳まではチェルシー、ウエストハム、ノーリッチシティのフットボールチーム下部組織で期待されていたフットボーラーだったがより情熱のある音楽キャリアに進むためサッカー選手の道はあきらめる。
シーズン1からシーズン3までずっと主演の1人を演じています。
Dave(デイヴ)
ステージネームDaveで活躍するSantan DaveはKanoよりももっと若い世代の今イチオシのアーティスト。
ナイジェリアにルーツを持ち、1998年生まれとグライムシーンの中では非常に若い部類。
トップボーイではシーズン3のみ出演、良い味が出ていました!
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Netflix配信トップボーイ(Top Boy)を5倍楽しむための3つのポイント
出典:Dazed
Netflixオリジナルのトップボーイはシーズン3
勘違いされがちですが、Netflixオリジナルで配信されているドラマ「トップボーイ」はシーズン3です。
シーズン1とシーズン2は「トップボーイサマーハウス」です。
なぜこのような事が起こっているのかと言うと、元々トップボーイはイギリスのチャンネル4で放映されていたテレビドラマだからです。
つまり「トップボーイサマーハウス」として配信されているのはイギリスのテレビで2011年に放映されていたものとなります。
ニッチな人気を集めていたもののチャンネル4では打ち切りになり、時が経った今カナダ人ラッパードレイクの一言でNetflixにて復活する事になりました。
シーズン3から見ても問題無いのですが、シーズン1、2から見た方がもっと深い経緯を知ってから見る事ができるので、これから見る人は必ずトップボーイサマーハウスから見るようにしましょう。
ロンドンのストリートスラングを覚えておくとより面白い
ギャングドラマではありがちですが、スラングがたくさん使われています。
それもアメリカのストリートスラングとは全く違うので英語が多少分かる人でも何を言っているのか分かりません。
そこで今回はトップボーイの劇中でよく使われているロンドンのストリートスラングをいくつか紹介します。
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Wha gwarn:What's up?と同様「調子はどうだ?」「何やってるんだ?」といった意味で使われます、この表現は実はジャマイカ語で、ロンドンにはジャマイカにルーツを持つ人がたくさんいる為この表現が使われています
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Food:取引するドラッグ
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P:お金
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Blud:アメリカではBroやBrotherがよく使われますが、Blood「血が繋がっている人」に起因してBrotherと同じような意味で使われています
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Fam:Family(意味はBrotherとほぼ同じ)
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Cuz:Cousin(意味はBrotherとほぼ同じ)
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Innit:Isn't it、イニットのように発音され、イギリス(ロンドン)特有です、基本的に付加疑問的(だろ?)な形で使用
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Bruv:Brotherと同義
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Feds:警察
- Youts:若い衆
※これらのスラングはトップボーイをより楽しむためだけに使ってください、実生活では自ら使わないようにしましょう
描写は非常にリアルに基づいている
トップボーイに関わらずですが、イギリスのドラマの多くはアメリカのような派手さと言うよりリアリティを求める傾向があります。
特にイギリス国内で起こっている社会問題に対しては非常にシリアスかつスタイリッシュに取り組んでいます。
出演陣の多くは演技経験ほとんど無しであるにもかかわらず、ロンドンのストリートにバックグラウンドを持つ人たちを起用しており、相当なリアリティを追及しているのが見て伺えます。
もちろんノンフィクション物語ではないので誇張が無いとは言えません。
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銃ではなくナイフを使った攻撃
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アシッドアタック
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ストリートの子供を使ったドラッグ取引
これらは実際にロンドンで問題になっている事です。
そんな問題をシリアスかつスタイリッシュに描きつつ、ギャングにもこんな実態がある事情があるという面も伝えるトップボーイはやはりイギリスのドラマだなぁというイメージです。
ぜひこの3点を頭に置いてこれからトップボーイを見始めると絶対に5倍楽しめると思います!