偏差値40から英語に目覚めイギリスの大学へ入学・卒業したJINです。
結論、精読のやり方に答えはなく、人それぞれ違いますが、今回は私がオススメのやり方を順を追って解説します!
イギリスの大学を卒業した筆者が、英文読解を楽にするトレーニング「精読」について徹底解説!
精読とはいったい何なのか、多読との違い、おすすめのやり方から参考書・アプリまですべてまとめて解説します。
英語リーディングが苦手で悩んでいる方に、ぜひ読んでほしい内容です。
皆さんは「精読」という言葉を聞いたら、どのような読み方を思い浮かべますか?「多読」や「音読」とは異なるものです。
「詳しく読む」というようなイメージを持たれた方がほとんどかと思います。
ザックリいえば、ゆっくり詳細に読むこと
ただし、決まったやり方がある訳では無く、英語講師の中でも細かい方法はまったく違います。
本記事では、元英語講師でもある私が思う、精読のやり方や効果、オススメの参考書・アプリなどをまとめてご紹介します!
- 長文の読解力が上がる
- 精読の手順がわかる
- 最後まで読めば今すぐ実践可能
じっくり読むだけじゃないの?
もちろんそれも「精読」と言えるけれど、言語学習者としての「精読」はもっと複雑で工程が多いんだ!
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英語の精読とは何?精読で得られる3つの効果
「精読」とは、特定の学習目的や課題を持って、 漢字のとおり詳細に文章を読むこと。
The readers carefully and closely read a short text with the intention of gaining an understanding of as much as detail as possible.
訳:できるだけ多くの詳細を理解することを意図して、短いテキストを注意深く読むこと
引用元:Learning Teaching, 1994
英語では「Intensive reading」と呼び、大量に文章を読む多読(Extensive reading)とよく比較されています。
精読では、読む文章から可能な限り多くの情報を受け取ることを目標
ただ、「多読」に比べると、「精読」はかなり曖昧で、英語のIntensive readingよりも日本でいう「精読」はさらに複雑。
人によってやり方はまったく異なりますし、言葉ばかりが独り歩きしている感じもします。
- 幅広く
- カンタンに
- 楽しめるものを
多読では、以上のような要素が特徴でしたが、精読では
- ゆっくりと
- 注意深く
- 短く難しいものを
このような要素が重要になっています。
精読には、特定の情報を探すために文章に目を通したり、要約の空白を埋めたるなど、読解問題を解くために注意深く読んだりすることが含まれます。
精読は、文章が何を伝えようとしているのかを理解しようとすることが目的
多読はマクロ、精読はミクロみたいな…
情報をより深く理解できる(読解力が上がる)
精読では、テキストを単純に読むというだけでなく、細かいところまで注目しなければなりません。
時間はかかるものの、普通にリーディングするよりもさらに詳細まで踏み込みます。
使われている単語や言い回しの意図まで考える
つまり、速読よりも読解力が上がります
複雑な文章にも対応できるようになる(文法力の上達)
文章を深く理解するには、使用されている文法を理解する能力が必須です。
普通にリーディングするよりも、さらに深く文法を理解していくことになるので、トレーニングを積むことで文法力も上がります。
マクロな視点には欠ける
精読では、短めの文を集中的に読むものなので、文章全体を眺めるような視点には欠けます。
顕微鏡で細かい所をみているようなもの
つまり、精読ばかりしているのはあまりオススメせず、普段から必ず多読と組み合わせるのがセオリーです。
英語精読の効果的な方法とやり方のコツを解説
「精読」とは何かについてお話してきましたが、英語学習者に最適化された精読は、ただ単に「詳細に読む」だけでは足りません。
多くの手順を踏むことで、効果を最大化できると考えています。
ここからはさらに「やり方」にフォーカスして、詳しく解説します
読み物の見つけ方
多読とは異なり、精読では
- 短い
- 難しい
- 興味深い
以上のような要素をもつ文章がオススメ。
たとえば、ハリーポッター1冊まるまる精読することはない
短ければ短いほど精読に向いています。
さらに、自分の英語力よりも「やや高め」の文章を選ぶのも重要です。
自分の知らない単語や文法構成に出会うことが重要だから
加えて、実は精読に関しては「和訳」と「音声」つきのものであるとさらに効果的!
理由に関してはここから紹介していきます!
精読する時間は30分から45分まで
精読はとにかく集中力が必須です。
流し読みをする場面は一切ないので、精読をしっかりと行うのであれば、上限30分~45分間と決めておくのがオススメ。
集中力が切れたら元も子もなくなる
たとえば、野球の素振りでも、楽器の練習でもダラダラなんとなくやっていても意味ないですよね、集中して考えながらやるからこそ意味があると思います。
だからこそ、精読では短い文章が推奨されています
精読を行うためのやり方・手順
ここからは、より具体的に精読の方法について解説します。
最初は、普通にリーディングをします。
ゆっくりと集中して読むことを心掛けてください。
ここで読んでみて、すべてニュアンスも理解できて完璧!という状態なのであれば、その文章は精読せず別のより難しい文章を見つける
まずは、文章の中に知らない単語やフレーズがあれば調べる、さらに気になるものや、もう一度意味を確認しておきたいものも含みます。
理解できなかったものは赤で下線、曖昧だったものは青で下線などルールを決めておくと、後でわかりやすく便利です。
和訳付きのものであれば、訳を読んで
- ニュアンス
- 文法
- 流れなど
以上を細かくチェックしておきます。
自分の理解とギャップがあるかどうかもチェック
一通り文章の意味を取れたら、音声があれば、音声を聞いて発音やイントネーションをチェックします。
このプロセスを踏むことで、精読がリスニングにも効くようになります。
スラッシュを入れた状態で、今度は英語を英語のまま(前から後ろに)読んでいきます。
さらに、スラッシュごとにサイトトランスレーションのような形で、頭の中で意味を考えたり訳してみます。
こちらは任意ですが、最後に音読をしておくとさらに効果的です。
意味を理解し、音声もチェックし、スラッシュも入れた状態で同じ文を音読するというのは、スピーキングやリスニング含めさまざまなポジティブな効果があります!
精読は朝にやるのがもっともオススメ
とくに集中力が必要な精読は、人間がもっともフレッシュで活動的な朝に行うのがオススメです。
疲れている時間帯に半集中状態でやってもあまり効果は見込めない
精読では、「集中」が大きなキーワードです!
英語の精読におすすめの参考書・教材・問題集・テキスト
書籍名 | レベル別英語長文問題ソリューションシリーズ | 英語長文レベル別問題集シリーズ | 英文「超」精読――ほんとうの意味がわかる |
オススメ度 | (4.5) | (4.0) | (4.5) |
値段・コスパ | (4.5) | (4.5) | (3.5) |
対象 | 初級者~中級者 | 初級者~中級者 | 初級者~中級者 |
最初にも言った通り、精読に絶対的なルールがあるわけではありません。
- 和訳が載っている
- 1つのリーディングが長すぎない
- 文法解説付き
- 音声があればなおよし
以上の私が思う「精読」のやり方に合っている教材基準で選出いたしました。
レベル別英語長文問題ソリューションシリーズ
内容・評価 | |
概要 | 3つのレベル別にわかれた長文問題集 |
オススメ度 | (4.5) |
料金・コスパ | (4.5) |
対象 | 初級者~中級者 |
期待できる効果 | 音読ありきで考えられている優れた設計 |
まず紹介したいのが、「レベル別英語長文問題ソリューションシリーズ」
- 音声ダウンロードつきで音読もラク!
- 構文解説が図解付きでわかりやすい
- ちょうどいい長さの英文
- 単語リスト付き
なんといっても長文問題集なのに、音声ダウンロード可能で、さらに音読も推奨されている点が素晴らしい問題集です。
大学入試レベルを想定された教材で、レベルは3つに分かれています。
- スタンダードレベル1:中堅私大レベル
- ハイレベル2:難関私大レベル
- トップレベル3:最難関私大、共通テスト満点を目指すレベル
入試向けの問題集ではありますが、内容もバッチリ濃いものとなっているので、英語初級者~中級者の方であればオススメできるものです。
2020年出版と、かなり新しい書籍である点もイイですよね!
英語長文レベル別問題集シリーズ
内容・評価 | |
概要 | 6つのレベル別にわかれた長文問題集 |
オススメ度 | (4.0) |
料金・コスパ | (4.5) |
対象 | 初級者~中級者 |
期待できる効果 | 昔から愛される定番の長文問題集 |
コンセプトとしては、先ほど紹介した書籍と同じですが、より細かくレベルが6つにわかれています。
- 初級編:中学~高校受験レベル
- 基礎編:高校受験レベル
- 標準編:中堅私大受験レベル
- 中級編:中堅私大合格レベル
- 上級編:有名私大、国公立レベル
- 難関編:難関私大、難関国公立レベル
東進ハイスクールで有名な、安河内先生が書かれた昔から愛される定番書籍です。
こちらも、音声をナチュラルスピードで収録した「耳ならしCD」がついているので、リスニングにも効果がある点が素晴らしい!
解説も丁寧ですが、比較的に標準編以降の方が高評価です
英文「超」精読――ほんとうの意味がわかる
内容・評価 | |
概要 | 問題集というよりは精読の参考書 |
オススメ度 | (4.5) |
料金・コスパ | (3.5) |
対象 | 初級者~中級者 |
期待できる効果 | 精読の考えをしっかり理解して、効果的に特訓 |
ここまで紹介した2つはどちらかというと問題集でしたが、コチラは精読の参考書、教科書のようなものです。
とにかく詳しく「精読」に踏み込んで、多くの人がやってしまいがちな間違いなどを踏まえて解説されています。
多くの人がやっている「ムリやりつなぎ合わせて読む」をやめる!が大きなコンセプト
根本的なリーディングに対する考え方を変えるようなアドバイスが多数掲載されており、文法解説もかなり豊富です。
解説もユーモアにあふれ、刺激的でおもしろいのも特徴的!
英語試験の対策に精読をしたい方へ
以上のような英語試験に向けて「精読」を取り入れたい場合は、各試験にあったリーディング問題集を使っての精読をオススメします。
- 日本語訳は載っているか
- 解説は優れているか
- 音声付きか(可能であれば)
とはいえ、この手の問題集でリーディングに音声がついているものはかなり少ないので、裏技として「リスニングスクリプトを精読する」というものがあります。
全体的なテーマは同じなので、リスニングスクリプトの精読は効果アリ!
とくに、読み物としてはリスニングスクリプトの方がやさしいので、取っつきやすいのも利点です。
各試験のオススメ問題集はコチラの記事で紹介しています!
英語の精読トレーニングに使えるおすすめアプリ
「精読」に関して言えば、紙のもので行うのがもっともオススメですが、外出先や通勤通学中に行いたい方も多いでしょう。
ここでは、精読のトレーニングに使えるオススメのアプリを3つ紹介します。
すべて今すぐ無料でダウンロード可能!
ざっくり英語ニュース!StudyNow
正直なところ、アプリで精読をするならこのアプリがナンバーワン!と胸を張っていえるようなものです。
私が思う「精読」に必要な多くが揃っています。
見た目は「ただのニュースアプリ?」と思うかもしれませんが、まったく違います!
ほとんどのニュース記事で音声付き(さらに速度変更可能)、段落ごとに日本語訳までついています。
私が考える速読に重要な2つの要素がアプリに組み込まれています。
単語帳機能もついており、いうことなし!
精読に使うアプリならコレが断トツ!
English AudioBooks – TEDで英語を学ぶ
iOSのみ対応ですが、TED Talkを素材にしたコチラのアプリも非常にオススメ。
ただし、文章ではなく、音声スクリプトをリーディングする点に注意
英語学習界隈でも大人気の「TED」を素材として、精読を行えます。
スクリプトは
- 英語のみ
- 日本語のみ
- 英語+日本語
3種類から選べます。
また、動画閲覧時にも、日本語訳を表示させることが可能。
TEDを使いたい!というiPhoneユーザーにはオススメ
レシピー(ポリグロッツ)
「ポリグロッツ」と言えば、知っている方も多いのではないでしょうか?
英語学習アプリでは、トップクラスに有名なものです。
リーディング機能付きのアプリとしては、かなりレベルが高いです。
リスニングできる記事、日本語訳のある記事などで絞り込むことも可能。
日本語訳付きのものは、対訳というわけではなく、英語版と日本語版が別々のページとして存在しているというイメージなので、やや面倒なのは否めません。
ただし、自動でスラッシュをいれてくれる機能や、タップするだけで単語の意味を出してくれる他のアプリには機能もあるので、ぜひお試しください!
精読単体で見るとそこまでですが、総合的にはとても優れたアプリです!
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