偏差値40から英語に目覚めイギリスの大学へ入学・卒業し、英検1級を一発で取得したJINです。
この記事では読解力が向上しない理由7つと具体的な解決策3つをまとめました
イギリスの大学を卒業した筆者が、英語の読解力を向上させる方法と伸びない理由を徹底解説!
7つの上達を阻む原因と3つの具体的な勉強法をまとめてご紹介します。
英語の読解が苦手な方に、ぜひ読んでほしい内容です。
「英語の読解」といえば、苦手意識を持っている方も多いです。
実際日本語の国語でも「読解」は難しく感じる方も多い中で、それを英語で行うのが難しいのもある意味当たり前のこと。
私も昔はかなり苦手で嫌いでした。
しかし、コツと原因を突き詰めた後は、英語のリーディング自体に苦手意識はありません
本記事は、多くの方が悩んでいる「英語の読解」について、様々な側面から解説していきます。
- なぜ読解が苦手なのかわかる
- どう向上させればいいのか具体的に知れる
- 読み終わったらすぐに実践できる
たとえば具体的にどんな人にオススメできる記事なの?
「読解」というからには何らかの英語テストに向けて改善したい人が多いだろうから、テストに挑む読解に苦手意識をもっている方に読んでほしいかな!
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英語の読解力が向上しない7つの原因|まずは要因から探る
英語の文章を読むのは難しい、時間がかかって途中で読解を諦めてしまう…そんな悩みを持っていませんか?
しかし、それは英語力が低いのではなく、英語の読解力を鍛えるポイントを把握できていないだけかも
以下の原因を理解し対策すれば、誰でも英語の読解力を鍛えられます。
単語の量が足りない
英語の読解において何よりもまず必要なのが、単語の量(語彙力)。
自分には英語力がないと思っている人のほとんどが、英語力ではなく語彙力が足りていないだけなのです。
逆に言えば、英単語さえ覚えればすぐに英文を読めるようになる
例えば、英検では2級が高校卒業程度のレベルとされていますが、合格するのには5000語以上の単語力が求められます。
社会人レベルともなれば、更に語彙力を鍛えなければなりません。
自分に足りないのが単語量なのだとしたら、今日から少しずつ覚えていけばオッケー
私がずっと実践してきて累計約15,000単語を覚えた英単語の覚え方と12個のテクニックや考え方は、以下の2記事で完全解説しています。
とくに12のテクニックはかなり重要なので、ぜひチェックしてみてください。
また、「覚えたはずの単語を忘れてしまう…」そんな悩みを抱えている方のために、単語を忘れてしまう原因を解説した記事を書きました。
単語学習が不安な方は、こちらも併せてチェックしてみてください。
- 読解が苦手な理由が単語を理解できないからかどうか判断する
- その場合は、読みたい文章に適した単語帳を買って覚える
- 覚え方に自信がない方はコチラの記事を参考にしてみる
「語彙力には自信があるのに、文になると読めない…」という人は、2つ目以降の理由を参考にしてみてください。
核となるS(主語)V(動詞)を見抜いていない
英語の文を正しく読解する上で最も重要なことは、まず文の主語(S)と動詞(V)を見極めること。
どれほど複雑な英文でも、SとVを明確にすれば理解しやすくなります。
英語の文はごちゃごちゃしていてよく分からない、という人の多くが、この「核となるSとVを見抜く」ステップを踏んでいません
例えば、“The book which you gave me on my birthday as a surprise is interesting.” という文を見てみましょう。
英語の読解が苦手な人は、「本、あなた、くれた、私…」のように左から順番に訳していく傾向があります。
しかしそれだと時間がかかり、何が言いたい文なのか途中で分からなくなりがち
英語の読解が速く正確な人は、まず「マクロな目線」で核となるSとVを見つけます。
そう考えると、この文は少し長いように見えて、実は大きく見ると “The book is interesting.”(その本は面白い)という、非常に簡単な文であることが分かります。
「まずは核となるSとVを見つける」と意識するだけでも、文構造の理解スピードが速まり、英語の読解力が向上します。
文章を速く読む方法や、英語を英語として読む方法についてはこれまでもいろいろな記事を書いてきました
英語を英語として読む練習としては、スラッシュリーディングやサイトトランスレーションがオススメ。
やり方や効果は個別の記事で詳しく解説しています!
速読のコツやトレーニング方法は、またさらに別の記事で紹介しました。
- 英語を行ったり来たりして読んでいないか?
- 英語は英語の順番で読む練習が必要
- スラッシュリーディングを繰り返すことで矯正できる
品詞を正しく理解できていない
これは2つ目で紹介した「S・Vの見極め」にも関係する重要なポイントです。
英単語にはそれぞれ品詞があり、主に名詞・動詞・形容詞・副詞に分けられます。
例えばS(主語)には名詞しかなり得ない
形容詞は名詞しか修飾せず、副詞は名詞以外を修飾します。
このように、単語の意味だけでなく品詞と役割を正しく理解して、何を修飾しているのかを見極めなければ、英文を読解することはできません。
“I think that that that that that student used was wrong.”
この文は、thatそれぞれの品詞を理解しなければ読み解けません。
1つ目のthatは接続詞で、直前のthinkの目的語であるthat節(最初のthatから最後のwrongまでの名詞節)を率いています。
なので、この文はマクロに見ると「私は “that~wrong” だと思う。」という文に。
2つ目・3つ目のthat thatは、「あのthat」という意味で、that(指示形容詞)がthat(名詞)を修飾。
ちなみに、この3つ目のthatだけが名詞なので、 “that~wrong” の中で主語になることが分かります。
それに対応する動詞はwasなので、このthat節はマクロに見ると「あのthatは間違っていた」という意味になります。
4つ目のthatは関係代名詞で、後ろの “that student used” を率いており、且つ3つ目のthatを修飾しています。
5つ目のthatは2つ目と同じ指示形容詞で、後ろのstudentを修飾し、「あの生徒」という訳になります。
すべてをつなげると、「私は、あの生徒が使ったあのthatは間違っていたと思う。」という意味になります。
これは極端な例ですが、品詞を理解していることで、英文における単語の役割が分かり、正しい読解に繋がることを示しています。
単語の和訳だけでなく品詞と役割を学ぶことは、英語の読解力を向上させるのに効果的な勉強法
指示語を正確に追えていない
英語の文章には様々な指示語が出てきます。
単数形ならばthis・that・it、複数形ならばthese・those・they(them)が主な指示語です。
これらが出てきたとき、何を指しているのか「なんとなく」読んでいませんか?
しかし、英語の読解において、指示語を正確に追うことは非常に重要。
例えば主語が指示語の場合、その解釈を誤ると、話そのものが大きく異なってしまいます。
また、指示語がある部分は英語の問題としても出されやすいので、試験においては得点に直結する
たとえば、東京大学の入試問題(英語)では、「指示語の内容を明らかにして和訳せよ」という問題が頻繁に出題されます。
東京大学のような最高学府も、英語の読解において「指示語を正確に追う力」を重視していることは間違いありません。
一見簡単に思える、itやtheyの示す単語を追うのが、実は非常に重要で難しいことなのです。
英文中の指示語は全て印をつけ、その指示語が示す英語と線で結ぶトレーニングがオススメ
- it, that, this, theseなどの指示語が何を指しているのか練習段階では毎回考えてみる
- 試験英語であればこの部分が問われることが多いので非常に重要なスキル
- 練習段階で指示語にすべて印をつけて、指示語が表す英語と線を結んでみる
緩急をつけて読んでいない
英語の読解に時間がかかってしまう人の特徴として、「すべての文を同じ速度で読む」という傾向があります。
しかし、特に長文読解において、全ての文に均等に注意を向けてしまうと、なかなか読み進めません。
また、頑張って読み終えても、最終的に何を言いたい文だったのかよく分からない、という状況に陥りがち
英語の文章は「緩急をつけて読む」ことが重要です。
すなわち、じっくり読む部分と、さっと流し読みする部分があるわけです。
英語の読解が得意な人は、その緩急のつけ方が上手なので、読解のスピードが速く、且つ要点を掴める
一方で、英語が苦手な人からは、「英文の内容はすべて重要に見える」という意見を聞くことも少なくありません。
英語の文章構成はとても論理的なので、筆者が重要な内容にはマーカーをつけてくれるのです。
そこで、誰でも確実に実践できる基本的な緩急のつけ方として、「ディスコースマーカーに注目すること」が挙げられます。
ディスコースマーカーとは話の展開を示す印のようなものです。
- HoweverやButのような「逆接」
- ThereforeやIn conclusionのような「結論」
- In other wordsやIn shortのような「言い換え」
とくに上記のような英語の後に続く文章は重要なので、じっくり読む必要があります。
逆に、It is true that…のような「譲歩」、For exampleやsuch asのような「例示」に続く文章は、さっと目を通すだけでも構いません。
このように、英語の文章は、内容の重要度に応じて読むスピードを変えられるのです。
英語の長文を読解する際には、緩急をつけることを意識してみてください
- フラットに読むのではなく緩急をつけて読んでみる
- 「逆接」「結論」「言い換え」などに注目
- 普段の練習から意識をして大切な部分とそうでない部分を理解
音読をしていない
読解力を向上させるためには、とにかく英文をたくさん読むことが重要だと思っている人は多いです。
もちろん、それは間違いではありません。
しかし、読解の精度を上げるためには「口」を使い、音読をすることも重要
読解が苦手という人に限って、音読を軽視している場合が少なくありません。
逆に、英語が得意な人の多くは、習慣的に音読をしています。
音読には様々な効果があります、音読の詳しいやり方や効果については以下の記事で詳しく解説しています。
英語の読解が遅い人は、何度も繰り返し前に戻って「読み直し」をしてしまう傾向があります。
しかし音読では前に進むしかないため、音読と同時に英文の内容を理解するよう心がけることで、速読の練習になります。
文章を前から読む練習としては、スラッシュリーディングもオススメ!
音読のスピードは、最初はゆっくりでも構いません。
また、初見の文章ではなく、まずは目で読み、単語の意味や構造をしっかり理解できた英文を音読するようにしましょう。
今まで音読をしたことがなかった人は、ぜひ取り組んでみましょう
他にも文章を早く読むための速読テクニックや速読トレーニングは、個別の記事で解説しています。
- 音読を実践したことがない方はぜひやってみる
- スラッシュリーディングもチェック
- 速読のコツもチェック
そもそもの背景知識が足りない
読解を阻む最大の要因のひとつは、背景知識の欠如です。
英語という言語力の不足だけでなく、文章が展開されるテーマやトピックの背景知識がなければスムーズに読むことは不可能。
世の中の事象やトピックについて広く知っている人の方が強い
「じゃあどうすればいいのか?」
たとえば、試験対策として読解力を向上させたいのであれば、その試験で頻出されるようなトピックに関する知識を日本語でもつけておくことは重要。
たとえばIELTSリーディングであれば環境やサイエンス分野など
実際私も英語力が今ほどなかった頃は、イギリスの大学で学ぶトピックを深く理解するために
- 日本語で背景知識を構築
- 英語で課題リーディングを読む
- セミナーや講義に挑む
上記のステップを踏んでいました。
実際、遠回りに見えて少しの背景知識があることですべてスムーズに理解できるようになりました。
- 英語力だけではどうにもならず、背景知識は必要
- 試験学習の場合は、頻出トピックの背景知識もつけておく
- 日本語でもいいから広く浅い知識があると英文読解も楽になる
社会人でもできる英語の読解力を鍛える勉強法3選
英語の読解力を鍛えようとしても、忙しい社会人にとって、毎日たくさんの英文を読むことは難しいものです。
ここでは、1日1つの英文で、且つ30分程度で実践できる勉強法をご紹介します。
1日1つ英文記事を選び、以下のトレーニングを実施してみましょう
英字新聞や、ネットの英語ニュース、使っている英語のテキスト、何でも構いません。
文型を明らかにする
英語には
- S(主語)
- V(動詞)
- O(目的語)
- C(補語)
4つの要素があり、それらの組み立て方で文を以下の5つの文型に分類できます。
- 第1文型:S V
- 第2文型:S V C
- 第3文型:S V O
- 第4文型:S V O O
- 第5文型:S V O C
言い換えれば、5種類しかないので、どんなに複雑で長い文でも、要素を突き詰めればこの5つのどれかになるのです。
英語の読解において、文構造を正確に把握する力は不可欠です。
読解力を鍛えるためには、練習段階で文型を書き込みながら読むトレーニングをするのもアリ
例えば、以下の例文を見てください。
The belief that the universe is a machine and that it might contain other worlds like the earth threatened traditional assumption about the uniqueness of man
これは2005年度の東京大学の入試において、英文和訳問題に出された文の一部です。
一見すると、一文にも関わらず非常に長く、理解するのが難しいように感じます。
この文に、S・V・O・Cのいずれかを書き込んでいくと、どうなるのでしょうか?
正解は、
(S)The belief (that the universe is a machine and that it might contain other worlds like the earth) (V)threatened (O)traditional assumption (about the uniqueness of man)
このように第3文型となります。
端的に言うと、この文は “(S)The belief (V)threatened (O)traditional assumption” 「(S)考えは (O)伝統的な前提を (V)脅かした」という文になる
このように、どんなに複雑で難しい英文でも、要素だけを抽出して文型に落とし込むと、明確でわかりやすくなります。
文型は中学で習うので、社会人にもなると忘れかけていたり、今さら意識することもなくなってきたりしているかもしれません。
しかし、まずは文のコアである文型を明確にすることが、読解力のベースを作る第一歩となります
はじめは面倒かもしれませんが、英語の文章を読む際はすべての文にS・V・O・Cを書き込み、文型を明らかにするよう心がけましょう。
第〇文型のような名前自体は本質的には知っていても意味がありませんが、感覚的に読解力ベースを作るうえでまず叩き込んでおくと読みやすくなります
ディスコースマーカーを活用する
文単位では、文型を明確にすることで精読のトレーニングを行いますが、よりマクロに文章全体の流れを掴むトレーニングも重要です。
精読に関する詳細は、別の記事で解説しています。
文章の要点を把握し、且つ英語の読解スピードを上げるために、「ディスコースマーカー」を活用しましょう。
様々な種類がありますが、ここでは読解のスピードを上げるのに特に役立つものを紹介します。
まず、じっくり読まなければならない部分の目印となるのが「逆接」「言い換え」「結果(結論)」です。
- 逆接:however(しかしながら)but(しかし)yet(しかし)still(それでも)nevertheless(それにもかかわらず)instead(それどころか) など
- 言い換え:in other words(言い換えると)in short(要するに)namely(つまり) など
- 結果(結論):therefore(したがって)thus(だから)as a result(結果として)in conclusion(結論として)consequently(結論として) など
これらのディスコースマーカーの後ろには、重要な内容が来ることが多いので、しっかり読み理解しなければなりません。
読解中に上記のディスコースマーカーが出てきたら、印を書き込み、その後に続く内容をしっかりと読む習慣をつけましょう
一方で、速度を上げてざっくりと読んでもいい部分の目印となるのが、「譲歩」「例示」です。
- 譲歩(基本的に逆接とセット): Of course A, but B(もちろんAだ、しかしB) It is true that A, but B(たしかにAだ、しかしB) ・Certainly A, but B(たしかにAだ、しかしB)など→Aの部分はあまり重要でなく、本当に言いたいことはBの部分に書かれている
- 例示:for example(例えば)for instance(例えば)such as(~といった)like(~のような)など→直前にある抽象的な言葉を分かりやすくするために書かれているため、筆者が例を使って伝えたいことが分かれば十分なことが多い
実は、ここで挙げたディスコースマーカーは、英語だけに特別当てはまるルールではなく、日本語にも同じことが言えます。
日本語の文章を読む際は、無意識だとしても、上記のディスコースマーカーを頼りに緩急をつけて読んでいるはずです。
英語の読解においても、ディスコースマーカーが出てきたら印を書き込み、緩急をつけて読むトレーニングをすると読解の感覚精度が上がります
音読をする
忙しい社会人でも簡単に取り組める、英語の読解力を向上させるのに効果的なトレーニングの1つに、音読があります。
ただし、初見の英文をやみくもに音読しても効果が期待できません。
まずは文構造をしっかり分析し、英語の意味を正しく理解
次にディスコースマーカーに着目し、文の要点を理解
そこまで終えて、英文の内容・流れをしっかり把握できてから、何度も音読してください。
最初はスムーズに音読できないですが、何度も同じ文章を繰り返し音読することでいずれスムーズに読めるようになります。
音読をしている時に、必ず意識してほしいことは、英文の意味と流れ
音読をしながら頭の中で同時通訳をするイメージです。
また、ディスコースマーカーは強く発音するなど、論理展開も意識しましょう。
音読をすることで、一度読解した英文を復習でき、英語の意味・構造・論理展開がより定着する
また、音読の1番のメリットは、戻って読み返せない点です。
目で読解している時は、英文を理解するために何度も前に戻ってしまいませんか?
しかし、音読はどんどん前に進んでいくので、そのペースで英文の意味を理解する特訓をすれば、速読ができるようになるのです。
読解のスピードが遅いと感じている人は、ぜひ毎日音読を実践してみてください
音読の詳しいやり方や効果については以下の記事で詳しく解説しています。
今回紹介した勉強法は、すべて1つの英文で実践できます。
毎日1つ英文を決めて、1~3の順でトレーニングしてみてください。
英文の長さにもよりますが、そこまで長い文章を選ばなければ毎日30分程度の時間で実践できます
スキマ時間を活用し、速く、且つ正確に読解できる英語力を身につけましょう。
簡単に英文を読めるアプリでオススメなのはスマートニュース です!
スマートニュースを英語版に切り替える方法は、個別の記事で詳しく解説しています。
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