偏差値40から英語に目覚めイギリスの大学へ入学・卒業したJINです。
結論、中級者以上であれば、必ず知っておきたい長文読解テクニックスです!!
イギリスの大学を卒業した筆者が、英語の長文問題を楽にするテクニック「スキミングとスキャニング」について徹底解説!
どういうものなのか、スキミングとスキャニングの違い、具体的な実践方法、おすすめの参考書まですべて網羅してご紹介します。
英語の長文読解が苦手で悩んでいる方に、ぜひ読んでほしい内容です。
「スキミングとスキャニング」
実はコレ、私がイギリスの大学に通っていた時、文献を読むのが遅く悩んでいた際に教授に教えてもらったテクニックです。
- 根っからの読書嫌い
- 明らかにネイティブに力で劣っている
- 非ネイティブの中でも読むのは遅い方
当時の私はこんな状況だったのですが、割り切ってスキミングとスキャニングを徹底したことで、リーディングの効率は格段に向上しました。
本記事では、私の経験も交えながらスキミングとスキャニングテクニックの概要、応用を細かく解説します。
- 長文読解を解く速さが上がる
- もう時間切れという最悪の状況を味わなくてもいい
- 最後まで読めばすぐに実践可能
長文読解問題にだけ使えるテクニックなの?
いや、そんなことはないよ、僕も当時英語テストを受けていた訳では無いからね!
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スキミングとスキャニングとは?違いは何?|リーディングの質を変える
まずは、スキミングとスキャニングとは何なの?というところをご紹介します。
結論、「毎回文章を一言一句、隅から隅まで読めるわけではない」という考えの上に成り立っており、英語学習者だけでなく、ネイティブの子どもたちも教えられる技術です。
それだけでなく、国語の読解などにも応用可能
スキミング
結論からザックリいうと、スキミングは「サッと読んでテキストの概要を理解する」です。
文章の概要や要点を掴むことが目的
Skim(上澄みをすくう)という意味を考えるとわかりやすいですよね、文章を概要だけをササっとすくう訳です。
正に「サッと読み」が適切な表現かもしれません。
- 概要を掴むために速読(詳細は関係ない)
- 目の動きは素早く
- 何を、どこを読むべきなのかを考える
たとえば、Wikipediaを隅から隅まで読む人ってあまりいないですよね?概要だけサッと読む人がほとんどだと思います。
あれこそスキミングのイメージです!
逆に詳細まで読んでしまうと、スキミングとして成立しないので注意!
スキャニング
Scan(精査する)という意味を考えると、非常にわかりやすいです。
スキャニングは特定の情報(詳細)を抜き出す為に使うもの
つまり、スキャニングを行う前に、どんな情報を自分が求めているのか知っている必要があります。
イメージ的には、「読解問題の設問を解答するために必要な情報」がわかりやすい。
- 特定の情報を探す
- キーワードを探す
- 読むというよりは検索
わかりやすいイメージでいうと、「Ctrl」+「F」で特定単語をページ内検索する感じ!
コントロールFのマニュアル版のようなものです。
わりと秀逸な例えだと、自画自賛していいですか?
試験でのスキミングとスキャニング応用方法|ステップバイステップで解説
次は、スキミングとスキャニングを実際に使うためにしっておくべき手順を、ステップバイステップでやさしく解説します。
スキミング(スキムリーディング)の実践方法
先ほど紹介したように、スキミングを使う目的は
- 要点理解
- 概要理解
- アイデア理解
文章を全体として、俯瞰してみるような形です。
- わからない単語があっても止まらない
- すべて読むのは第1段落と最終段落のみ
- トピックセンテンス(主題文)にはとくに注目
タイトルを読む
試験リーディングであっても文章にタイトルが付けられています。
いうまでもありませんが、まずタイトルを読みます。
タイトル(題名)を読むだけで、ある程度どんな話かは予想できますよね
第1段落をサッと読む
基本的に、第1段落は概要を説明している場合が多いです。
「概要を理解する」を目的としているスキミングですので、第1段落はすべて読みます。
ただし読み込むわけではなく、あくまでサッと読む!
- どんな話なのか
- 筆者の意見はどのようなものなのか
- ライティングスタイルはどんな感じか
以上のような、重要情報を感じるうえでも第1段落は重要です。
映画でいうあらすじや予告編みたいなものです
すべての段落で最初の1行と最後の1行を読む
第1段落と最終段落以外の文章は、各段落、最初の1行と最後の1行のみを読みます。
最初と最後の1行を読めば、その段落がどのような内容なのかわかる
コンピューターベースのテストでなければ、読んだ行に下線を引いておくのもオススメ。
ただし、見出しや副見出しがある場合は、それらも読んでください
最終段落をサッと読む
第1段落もサッと読みましたが、最終段落もすべてサッと読んでおきます。
最終段落は、ほとんどの場合結論パート
最終段落では、どのような論調で文章が終わっているのかもわかるので、スキミングの目的である全体把握がしやすくなります。
重要だと思うキーワードには都度下線を引く
- 第1段落をサッと読む
- 各段落2行読む
- 最終段落をサッと読む
すべての段階で、重要だと思うキーワードが現れたら、都度下線を引くのがオススメ。
- 数字
- 人物名
- 場所
- 国籍(国)
- 日付(年号)
- 時間
- 値段
どんなテストを受けるのかにもよって変わりますが、上記のような情報はマストで下線を引いておきましょう。
- 最上級(The best、The worst)
- 比較級(Better, Worse, More ○○)
加えて、何度も登場するような単語(類似語含む)は重要とみて間違いないので、必ず下線を引いておくようにしましょう。
問題を正答するための布石をココで打っておくのです!
スキャニング(スキャンリーディング)の実践方法
スキャニングは「精査」という意味があるように、自分の求める情報を、文章から抜き出す作業になります。
- サッと目を通して特定の詳細を発見するのが目的
- 問題文を読んで、解答に必要な情報をまず理解する
- 「読む」というよりは「検索する」イメージ
皆さんもスーパーに行ったら、欲しいものを探しにさまざまなセクションに行きますよね!
- お肉が欲しい→肉コーナー
- 魚が欲しい→鮮魚コーナー
- 野菜が欲しい→青果コーナー
スキャニングのイメージは正にそれで、スーパーの例えでいうと、前述のスキミングは「スーパーのフロアプランを理解する」ことなのです。
このイメージめちゃくちゃわかりやすくないですか?
スキャニングをはじめる前の前提条件
スキャニングをするタイミングは明確で、「探しているキーワードがあるとき」
つまり、スキャンするキーワードや知りたい情報がまだわからないのであれば、スキャニングをしても意味がないのです。
最初、スキャニングをパソコンの「Ctrl」+「F」のページ内検索で例えましたが、コントロールFも探しているキーワードがなければ機能しないですよね?
主に設問を解答するために必要な情報を、設問や選択肢から抜き出す
スキミングで得た情報を駆使する
キーワードや情報をスキャニングで探す場合の手順はザックリ以下のとおりです。
- 問題文や選択肢から知りたい情報を特定する
- その特定の情報がどの段落にあるのか、スキミングで得た情報を基に考える
- その段落で情報を探す
つまり、順序はスキミング→スキャニングという順番でなければならない
探している情報を忘れてはならない
スキャニングをする過程で、探している情報を忘れたり、脱線してはいけません。
スキャニングのはずが、結局隅から隅まで読んでしまった…
隅から隅まで読まないためにあるのが、スキミングとスキャニングです。
読み込んでしまったら失敗です。
どの段落にどの種類の情報が載っているのかを理解するためにもスキミングが重要
ただし、キーワードがそのまま出てくることは少ないので、日ごろから類似語の取得しておくことも重要になります。
たとえば、importantという単語を探していたとしても、本文に必ずしもimportantという単語がそのままあるわけでなく、類似語であるsignificantやcrucial、essentialなどが使われている場合が多い
場所に辿り着いたらしっかりと読む
知りたい情報が載っていると思う段落に辿り着いたら、その段落を読み込みます。
サッと読むのではなく、精読です。
1文1文をしっかりと読み、各行の意味をしっかりと考えましょう。
スキミングとスキャニングに関する注意点とコツまとめ
最後に言っておきたいのは、スキミングとスキャニングは誰にでもオススメ!という訳ではありません。
やってみる前に気をつけるべき点やコツをここで5つ紹介します。
必ず練習を積み重ねる
「スキミングとスキャニング、わかったから本番で使ってみる」
大いにいいことなのですが、必ず対策・練習段階からリーディングでスキミングとスキャニングを使ってみましょう。
やり方を理解したからと言ってぶっつけ本番でできるわけではない
むしろ、練習を積み重ねず慣れない場合、普通に読むよりも遅くなるという本末転倒になる可能性もあり得ます。
だからこそ、対策段階からスキミングとスキャニングを徹底して練習しておきましょう。
つまり、この記事を読んで「わかった!終わり!」だと意味がないのです
試験に合わせてカスタマイズをしよう
すべてリーディングがある英語試験ですが、それぞれ特徴や問題形式が違います。
なので、対策段階でスキミングとスキャニングを練習する際は、必ず過去問や公式問題集を使って練習し、そのテストや自分に合うように調節していくのがオススメ!
実際にやってみて、自分で調節していくというのは非常に大切!
日ごろから類似語を意識して単語を覚える
スキミングとスキャニングを効果的に行うためには、類似語や反対語の理解はかなり重要です。
とくにスキャニングでは
- 問題文や選択肢から知りたい情報を特定する
- その特定の情報がどの段落にあるのか、スキミングで得た情報を基に考える
- その段落で情報を探す
このような手順を踏みますが、問題文に書かれているキーワードがそのまま本文に登場することは少ないです。
類似語として言い換えられている場合が多い
- Important→Significant
- Money→Cash
- Abandon→Desertなど
日ごろから関連する単語をリンクさせて覚えておくと、スキミングとスキャニングの精度がさらに上がります。
なにか単語を覚える時は、一緒に1つ2つ類似語も覚えてしまおう!
前提としてその文章を普通に読めるレベルでなければならない
スキミングとスキャニングをするうえで、大前提なのは「その文章を普通に読んで理解できるレベルでなければならない」こと。
普通に読んでも全然理解できないという文章に対して、スキミングとスキャニングを使っても意味がないです。
中上級者向けのテクニックであることは理解しておくべき
ネイティブの子どもたちも使っているテクニックであることを考えれば、わかりやすいかと思います。
たとえば、IELTSリーディングを精読できるレベルになければ、IELTSにスキミングとスキャニングを使えません。
そのテキストを精読できるレベルにあるかどうかは、とてもスキミングとスキャニングを使うべきかどうかのいい指標です
スキミング・スキャニング以外にも速読法はたくさんあります!
イレギュラーなシチュエーションに対応できる柔軟性も大事
今回の記事では、スキミングとスキャニングの基礎手順をかなりキチキチ紹介してきました。
- 各段落で最初の1行と最後の1行を読む
- 第1段落と最終段落はすべて読む
- スキャニングでは探している特定段落を読む
これらはすべて、一般的な理想的な使い方であり、テストや文章によっては柔軟に対応しなければならない場合もあります。
たとえば、図解系のリーディングにこの手順をキチッとやってもあまり効果はない
さらに、筆者によって、結論までの文章構成が異なる場合もあるかもしれません。
臨機応変にイレギュラー対応できる人にオススメしたいテクニックです
スキミングとスキャニングを学べるおすすめ参考書
書籍名 | キムタツ式英語長文速読特訓ゼミシリーズ | もっとリーディングの時間があればと悔しがっている英語を頑張るあなたへ贈るスキミング/スキャニングリーディングメソッド | Skimming and Scanning Techniques |
オススメ度 | (4.5) | (4.5) | (4.0) |
対象 | 初級者~中級者 | 中級者(TOEIC受験者) | 中上級者 |
ここまでスキミングとスキャニングをできる限り深く解説してきましたが、ブログ記事だけでは伝えきれない部分があるのは事実です。
たとえば、この記事で私が実際に文章を使ってデモンストレーションしたり、演習問題を入れたりすることは不可能。
だからこそ、オススメの演習付き参考書を3つ厳選して紹介します!
キムタツ式英語長文速読特訓ゼミシリーズ
内容・評価 | |
概要 | 大学受験レベル向けの速読練習本 |
オススメ度 | (4.5) |
料金・コスパ | (4.5) |
対象 | 初級者~中級者 |
期待できる効果 | 大学入試レベルの長文でスキミングとスキャニング能力を向上 |
英語界では超有名な、キムタツこと木村達哉先生の著書です。
大学入試レベルの長文演習で、スキミングとスキャニングにフォーカスしながら解いていく方式のテキスト。
- 入門編
- 基礎編
- センター試験編
- 難関大学編
4つにレベル分けされているので、現時点の実力に合ったものを選べるのもメリットですね!
大学入試トピックなので、大学受験用にスキミングとスキャニングを練習したい人にオススメ!
もっとリーディングの時間があればと悔しがっている英語を頑張るあなたへ贈るスキミング/スキャニングリーディングメソッド
内容・評価 | |
概要 | TOEIC試験ベースのスキミング・スキャニング書籍 |
オススメ度 | (4.5) |
料金・コスパ | (4.5) |
対象 | 中級者(TOEIC受験者) |
期待できる効果 | TOEIC文脈で特訓して、TOEICスコアアップ! |
題名がエゲつなく長く、表紙もなんだか信用ならない感じがありますが、中身は間違いないです。
スキミングとスキャニングの理論を丁寧に解説しており、日本語書籍の中でここまで深く掘って解説している本はコレだけなのでは?と思うほど。
わりと異質ながら、だからこそオススメできる参考書です
Skimming and Scanning Techniques
内容・評価 | |
概要 | スキミングとスキャニングを深く掘った洋書解説本 |
オススメ度 | (4.0) |
料金・コスパ | (4.0) |
対象 | 中上級者 |
期待できる効果 | 本場の解説で理解を深め、さらに一段上のテクニックを身につける |
ネイティブも使っているテクニックだからこそ、洋書で解説を読むのもオススメ。
ただし、洋書を読めないのにこの本を買っても仕方ないので、洋書を読むのに抵抗がない中上級者にイチオシです!
- 論文や研究の紹介
- 多くのリーディング素材
- エクササイズ・演習
- 答えと解説
ネイティブ向けの書籍なので、試験英語に特化している訳では無く、日常でも使える効果的な速読スキルとしてのスキミングとスキャニングにフォーカスしています。
小手先ではなく、より本質的なスキミングとスキャニングの解説です
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