偏差値40から英語に目覚めイギリスの大学へ入学・卒業したJINです。
結論、サイトトランスレーションは、リーディングとリスニングに効果があるトレーニングです!
イギリスの大学を卒業した筆者が、英語リーディング楽にするテクニック「サイトトランスレーション」について徹底解説!
どこを区切ったらいいのか、どんな効果があるのか、おすすめの参考書などすべてまとめて解説します。
英語リーディングが苦手で悩んでいる方に、ぜひ読んでほしい内容です。
皆さんは「英語は後ろから訳す」なんてことを聞いたことありませんか?
目くじらを立てて「間違いだ!」という気持ちはサラサラありませんが、英語を英語として読むうえで理にかなっていないのは確かです。
英語を自然に読むには前から読んでいかないといけない
ではなぜ「後ろから訳す」と教えられたのか、それは日本語話者にとって違和感がないからです。
日本語話者にとって違和感が少ないからと言って、英語として見てみたら不自然ですし、読むスピードも読解レベルも下がります。
本記事では、英語を英語として理解するために、通訳者も使うトレーニング「サイトトランスレーション(サイトラ)」のやり方、効果、オススメの参考書を一挙ご紹介します!
- 長文読解を解く速さが上がる
- より英語的なリーディングができるようになる
- 最後まで読めば今すぐ実践可能
英語を英語として読むってよくわからないんだけど…
たとえばさ、もし英語ネイティブが、英語と日本語の語順が違うからって、「私はあなたを愛しています」を「私は 愛しています あなたを」と語順に逆らって読んでいたら、不自然だなームダが多いなーって思わない?
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サイトトランスレーションは何て意味?|スラッシュリーディングとどう違う?
サイトトランスレーション、サイトラは「Sight Translation」を意味し、通訳者のトレーニングとしても親しまれた勉強法です。
ザックリいうと、英文を塊で区切って翻訳するトレーニング。
あれ?スラッシュリーディングに似てない?
いい気づきだね!プロセスはかなり似ているよ!
「スラッシュリーディングと何が違うの?」と思う方も多いかと思いますが、途中までのプロセスはすべて同じです。
どこが違うのかと言われれば、区切った後に翻訳をするかしないか。
元々通訳者向けのサイトトランスレーションでは塊ごとに翻訳する
また、スラッシュリーディングでは区切ることが目的ではなく、最終的にはスラッシュを入れずに塊で読めるようになることが目標でした。
ただし、サイトラでは、「区切る」という行動はより重要なものとなっています。
She decided to study / in Japan / because she is especially interested in / Japanese history.
サイトラ:彼女は留学することにした / 日本で / とくに興味があるから / 日本の歴史
区切らずに翻訳する弊害は、日本語と英語の語順が違うので、何度も何度も返り読みしてしまうこと
つまり、読むスピードが圧倒的に遅くなってしまうのです。
一方、サイトトランスレーションでは、その場その場で集中できるため、戻り訳をせずに済みます。
戻り読みというのは正に百害あって一利なし!
そこで、区切り方にルールはあるの?と思う方も多いでしょう、次はサイトトランスレーションを行う上で、英文の区切る場所を紹介します。
サイトトランスレーションする際に英文を区切るコツ|サイトラのやり方
ここからは、サイトトランスレーションを行う上で欠かせない、英文に区切りを入れる場所の例を紹介します。
前置詞の前
「前置詞の前」は、もっとも区切りやすい場所のひとつです。
あえてシンプルな例文にしましたが、前置詞の前で区切るとキレイですよね!
まず押さえておきましょう!
カンマの後
カンマといえば「,」コレです。
そもそも、区切りの合図として使われているので、カンマの後で区切るのは自然。
問答無用でスラッシュを入れるべきところですね!
頻度は少ないですが、コロン(:)やセミコロン(;)も同様です
関係代名詞の前
2つの文を繋ぐ役割で使われる関係詞も区切りとして最適です。
- Who
- Which
- That
- Whose
- Whom
- Whereなど
「繋ぎ」と考えれば、コチラも非常に自然な区切りですよね!
接続詞の前
Becauseなどの接続詞の前にもスラッシュを入れられます。
- Because
- After
- Unless
- Until
- Whileなど
他にも区切れるところはあるが…
サイトトランスレーションとして区切れる要素は他にもあります。
- 現在分詞や過去分詞の前
- 長い主語の後
- 長い目的語の前など
結論、私はここまでしなくてもいいと思っています。
だって、「長い主語・目的語」「現在分詞や過去分詞」なんていわれてもややこしすぎると思うんですよね。
狭すぎる感覚で区切るのはあまりよくない
例文を使ってサイトトランスレーションを実践
それでは、ここまで紹介した区切り方を応用して、サイトトランスレーションをやってみましょう。
- 前置詞の前
- カンマ、コロン、セミコロン
- 関係代名詞の前
- 接続詞の前
- 1つの塊の中で最大5~9ワード
ハーバード大学にて、J・Kローリングが行ったスピーチの一部を使ってみます。
I was convinced(私は納得しました)/ that the only thing(唯一のこと) / I wanted to do, ever, (私がずっとやりたかった)/ was to write novels.(小説を書くことでした) / However, my parents,(しかし、私の両親は) /both of whom came from impoverished backgrounds(両方とも貧しい家柄)/ and neither of whom had been to college,(両方カレッジにも行っていない)/ took the view(物の見方をする)/ that my overactive imagination(私の過度に活発な想像力)/ was an amusing personal quirk(おもしろい奇抜な個性でした) / that would never pay a mortgage,(住宅ローンを払う訳ではない) / or secure a pension.(年金を手にするわけでもない)/ I know that the irony strikes(皮肉が襲ったのがわかります) / with the force of a cartoon anvil,(アニメのアンビルの力で)/ now.(今)
引用元:Text of J.K. Rowling’s speech – Harvard Gazette
イメージ的にはこのような形です。
1つの塊で何ワード入れるべき?といえば、脳のメモリーは5ワード~9ワードまで塊で処理できるとされており、これくらいの感覚で区切るのが理想です。
サイトトランスレーション(サイトラ)の効果
ここからは、サイトラをやることで得られる効果や、実践する上でのコツなどをまとめてご紹介します。
部分ごとに集中して戻り訳をしなくなる
皆さんご存じのとおり、日本語と英語では文法的に語順が異なります。
- 英語:I love you.(私は 愛しています あなたを)
- 日本語:私は あなたを 愛しています
つまり、頭の中で翻訳する際に何が起こるのかというと、文章を前後行ったり来たりしてしまうこと。
文章が長ければ長いほど戻り訳の確率は高まり、スピードダウンや記憶低下の原因となり得ます。
サイトラでは、区切りごとに集中するので、戻り訳を強制的に防止できる
リーディングにおける戻り読みも防止できるので、非常にポジティブな側面です!
内容を記憶しやすく全体理解の向上を期待できる
細切りの塊として訳していくため、内容の短期記憶が残りやすいのもポジティブな効果です。
英語ネイティブ世界の「Chunking strategy(Grouping strategy)」は「短期記憶」という文脈で使われています。
0150719098
0150-719-098
0150 719 098
明らかにハイフンを入れて区切った2つ目、空白を入れて区切った3つ目の方が覚えやすいですよね。
数字に限らず、文章でもよきところで区切った方が、記憶しやすいのです。
短期記憶が持続しやすい=最終的に記憶した塊同士をはめ合わせる=全体の意味をよりよく理解できる
つまり、意味理解の面でも大きな効果があるのです
読解のスピードが上がる
英語の語順にもとづいて、前から訳すことになるので、読解のスピードが上がります。
スラッシュリーディング同様、速読にも効果があるんですね!
英語を英語としてそのまま読むのはとても重要!
語彙や文法の理解が上がる
サイトトランスレーションを行う上で、さまざまな英文に触れることになります。
さらに、スラッシュリーディングとは異なり、訳していくので、語彙力や文法力の向上も期待できるのが特徴。
「意味わからない」「何だっけ?」という単語や文法は必ず調べよう!
リスニング力が上がる
スラッシュリーディング同様、サイトトランスレーションで文を区切るというのは「強制的にネイティブの読み方に近づける」ことなのです。
たとえば、ネイティブである私の妻に「自分がしっくりくる場所でスラッシュを入れてみて」と言ったら、事前知識なしで完璧な場所にスラッシュを入れます。
文を塊で考えるというのは、ネイティブにとって自然なことだから
つまり、文を先頭から読む、塊として考えるというのは、英語全般のセンスを向上させるようなものであり、文を塊として考えられるようになるとリスニングも塊で聞けるようになります。
英語理解のセンスを鍛えるというのが正に合ってるなと思います
塊を理解できなければ本末転倒
当たり前の話ですが、サイトラを正しく行うためには、区切った塊を理解できる能力が必要です。
- 単語
- 文法
- 構文など
つまり、読む文章に相応するスキルがなければ、サイトトランスレーションをしても意味がなくなります。
たとえば、英検3級レベルの人が、英検2級のリーディング文章をサイトトランスレーションすることは不可能
基礎知識のベースがあってはじめてサイトトランスレーションができます。
なので、練習するのであれば、自分のレベルよりやや低めのものからはじめるのがオススメ!
サイトトランスレーションの理解と練習におすすめの参考書3選
書籍名 | BBC WORLD英語リスニングサイトトランスレーション | 絶対『英語の脳』になる! 同時通訳方式(サイトラ)で鍛える ネイティヴ英語脳・育成大特訓50 | 英語リプロダクション トレーニング 短期間で飛躍的に話せるようになる! |
オススメ度 | (4.5) | (4.0) | (4.5) |
値段・コスパ | (3.5) | (3.5) | (4.5) |
対象 | 中級者~上級者 | 初級者~中級者 | 初級者~中級者 |
ここまで、サイトトランスレーションのやり方や効果をできる限り詳しく説明してきました。
しかし、スラッシュの入れ方や区切り方を覚えただけでは何も意味がありません。
実際のリーディングで繰り返し実践してやっと意味がある
だからこそ、最後にサイトトランスレーションのやり方や、実際の長文を使った演習が載っている参考書を紹介します。
実際に演習を使ってやってみないことには何もわかりません!
BBC WORLD英語リスニングサイトトランスレーション
内容・評価 | |
概要 | BBC Worldの素材を使ったサイトラ書籍 |
オススメ度 | (4.5) |
料金・コスパ | (3.5) |
対象 | 中級者~上級者 |
期待できる効果 | レベルが高めの内容でサイトラを実践 |
BBC Worldのリスニング音源をベースとして、サイトトランスレーションを学ぶ書籍です。
BBCの素材がそのまま使われているので、レベルは高め。
一方で、だからこそ内容もおもしろい!
頭から訳すサイトラの基礎もしっかりと書かれているのでやり方もバッチリ!単語リストもついているので安心!
中級者以上でサイトラをやってみたい方は、コチラ一択です!
絶対『英語の脳』になる! 同時通訳方式(サイトラ)で鍛える ネイティヴ英語脳・育成大特訓50
内容・評価 | |
概要 | 50のトピックを基にサイトラを学ぶ |
オススメ度 | (4.0) |
料金・コスパ | (3.5) |
対象 | 初心者~中級者 |
期待できる効果 | 着実にサイトラに慣れる |
コチラは、わりと低めのレベル感からサイトトランスレーションを学べる優良書です。
どうせなら、英語は後ろから訳すのではなく、前から訳すクセを誰もが身に付けた方がいいと私は思います。
本書は初級者でもわかる英文を使っている
だからこそ、コチラの書籍は貴重です
英語リプロダクション トレーニング 短期間で飛躍的に話せるようになる!
内容・評価 | |
概要 | さまざまな特訓法を1冊で網羅 |
オススメ度 | (4.5) |
料金・コスパ | (4.5) |
対象 | 初級者~中級者 |
期待できる効果 | サイトラだけではなく他の技術も一括で習得 |
コチラの書籍は、リピーティングの記事でも紹介した良書です。
- シャドーイング
- リピーティング
- サイトトランスレーション
- リプロダクション
すべて一括で、段階的に解説しているのが特徴的。
使われている英語は簡単なので、どんなレベルの方でも気軽に以上の技術を身につける特訓を行えます。
コスパで考えたらこの書籍が一番!
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