偏差値40から英語に目覚めイギリスの大学へ入学・卒業したJINです。
結論、音読はやり方を間違えるとまったく意味がなくなります!
イギリスの大学を卒業した筆者が、リーディングやリスニングに効果があるトレーニング「音読」について徹底解説!
音読とはいったい何なのか、学校でやった音読の問題点、正しいやり方やコツ、おすすめの参考書・アプリまですべてまとめて解説します。
音読をこれから実践して読む、聴くのスキルを高めたい方に、ぜひ読んでほしい内容です。
「精読」「多読」とは異なり、「音読」は誰もがイメージできるトレーニングです。
小学校、中学校、国語や英語で音読は皆さんもやってきたはず。
ただし、当時は多くの人が効果を感じられなかったはず!
決して学校のやり方が悪いと言っている訳では無く、音読をする側が「単語を追って適当に話す時間」として扱っていたからです。
もちろん私もその手の人間でした。
本記事では、実は高いポテンシャルを秘め、近年英語界隈でとくに注目されている「音読」の効果や、正しいやり方について徹底的に解説します。
- リーディングやリスニングに効果アリ
- 意識するポイントやコツをすべて解説
- 最後まで読めば今すぐ実践可能
音読ってやっぱりなんか「意味ない」イメージが強いんだよねー
そう、正しくやらないと「意味ない」のは間違いないからね、でも正しくやれば効果はあるよ!
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英語の音読とは何?効果ないは本当?音読で得られる5つの効果
「音読」とは、学校でもよくやるトレーニング法なので、イメージしやすいかと思います。
国語でも英語でも音読は授業でやりますよね!
しかし、音読にどのような効果があるか知っている人は少ないはず!
以前紹介した「多読」や「精読」とはまったく異なるものです。
実際私も学生時代、やれと言われたからやるだけで、どのような効果があるのかはまったく知りませんでした。
「意味がない」という意見は、そのような経験から来ているのかもしれません。
実はもっとも効果があるのはスピーキングではない!
ここからは、音読が言語習得に与える効果について少し解説していきます!
ボキャブラリーの構築に役立つ
「音読したところで単語なんて覚えられなくね?」
そう思う人も多いかと思いますが、音読で覚えるのが大切なのではなく、音読してこれまで覚えた単語やフレーズに「再会」することが重要なのです。
文脈の中で覚えた単語と出会うときは、まさに宝石を見つけたかのような嬉しさがこみ上げる
音読が記憶に与える影響について幅広く研究している、カナダ・ウォータールー大学の心理学者、コリン・マクラウド教授によれば、人は黙読するよりも音読した方が単語や文章をよく覚えていることを証明しています(参考:Why you should read this out loud – BBC Future)
マクラウド教授はこれを「プロダクションエフェクト」と名付けています。
私も大好きなドラマ「ドラゴン桜」でも、生徒が歩きながら英単語を覚えていましたよね!
私も、文章を音読するだけでなく、単語を覚える時は必ず音読をするべきだと昔から思っています。
さらに、黙読をしているとわからない単語を飛ばしてしまいがちですが、音読をすると必ずそこで詰まるので、新しい単語やフレーズの発見もしやすくなります。
音読には黙読にはないメリットがあるのです
リスニングとリーディングスキルの向上
「音読」というと、スピーキングに効果があるのではと思う人が多いですが、どちらかというとリスニングやリーディングに効くトレーニングです。
音読することで、読んだり聞いたりしたものをより意識するようになり、正しい文法や文の構造などを見極められる
また、黙読よりも音読の方が、物語により感情移入でき、読解力にも磨きがかかります。
次に紹介する「集中力の向上」も忍耐が必要なリーディングやリスニングに好影響を与えます
集中力が上がる
音読をする際は、単語を理解し、発音するための集中力が必要になるため、結果的に集中力の向上に効果があります。
皆さんも、音読をしている最中に気が散ることはあまりないと思いませんか?
音読をしているときは、頭の中で単語の発音とその意味の両方に集中しているから雑念が生まれにくい
さらに、発話をするので、頭だけではなく身体もつかうので、最大限の集中力を投下できます。
とくに読書が苦手な人にとっては、音読の方が集中できる場合が多いです
人によっては読解力の向上も見込める
人それぞれ特徴は異なります、視覚での理解が得意な人もいれば、聴覚での理解の方が得意な人もいます。
聴覚で学習するタイプの人は、音読することで内容が頭に入って定着しやすく、覚えた情報をその後引き出しやすくなります。
たとえば、俳優さんや女優さんなら、発話した方が覚えやすいという人が多いはずです
自分の言っていることを明確に理解することで、読解力や理解力も上がります。
自分で発話する、自分の発話を聞くという2つの行動がアクティブに行われているのです!
適当に棒読みしているだけならまったく効果がない
ここまで音読のポジティブな効果を紹介してきましたが、単語単語で適当に読んでいるだけであったり、棒読みではまったく効果はありません。
物語を意識して、集中して読んでこそ効果が生まれます。
- 文章の区切り
- 発音
- イントネーションなど
音読をしながら、発話、自分の発話に対するリスニング、さらに内容を頭で想像できれば、音読の効果は向上します。
より踏み込んだコツややり方については、次の項で詳しく解説します
英語の音読にやり方はある?最大限効果的に行うためのコツ5選
「音読なんてただ口に出して読めばいいんでしょ?」
そう思っている方はいませんか?
ただ文字を追って口に出すだけではまったく意味がありません
とはいう私も、中高時代は適当に文字を追って音読していたので、効果は一切感じられませんでした。
ここからは、これまでとは違う、効果的な音読のやり方やコツを5つ解説していきます!
文章の区切りを意識する|スラッシュリーディング
音読に効果があるからと言って、適当に棒読みするだけでは効果がありません。
絶対に一語ずつ読んではいけない!
これは通常黙読で行われる、スラッシュリーディングと通ずるものがあります。
文章を塊で読むことで、意味を考えながら、英語を英語らしく流ちょうに読めるのです。
文章の区切り方や、スラッシュリーディングの効果についてはコチラの記事で詳しく解説しています。
カンマ・フルストップ・接続詞の前で一時停止
先ほど紹介したスラッシュリーディングは、塊を意識しながら読むために使うものです。
それに加えて、カンマ(,)、フルストップ(.)、接続詞の前(andやbecause)では一時停止をし、息継ぎをするとスムーズに音読ができます。
最初はこのようにルールを決めておくと、どんどん自然になっていく!
イントネーションを意識する
英語らしい音読を実現するには、イントネーションの意識も重要です。
やや大げさでありながら完ぺきな例は、英語のニュースキャスターのような読み方。
抑揚をつけて、うまく喋る練習としては、講演家のような身振り手振りを真似てみるという裏技もあります。
身体も使いながら、文章を生かすように読む!という側面は音読において非常に重要です。
棒読みは単語単語で読むやり方は、生きた音読とは言えません
自信を持って力強く、大きめの声で
わかります、ひとりで音読をして大きな声で話すのは恥ずかしい、変に感じます。
でも、別に誰かに見られている訳ではありませんし、このような心理的障壁を突破すると英語の勉強はさらにはかどります。
極論、英語なんてただの言語、このような障壁突破の積み重ねでどんどん自信が持てる!ボソボソ声で音読してもあまりメリットがない
英語というのはただのコミュニケーションツールですので、実際のコミュニケーションを想定して
- ハキハキと
- 大きな声で
- 自信を持って
以上を意識して音読をしていれば、心理的な面で間接的にスピーキングにも効果があります。
実生活が本番だとしたら、英語レッスンは練習試合、音読は素振りようなものです
すでに内容や意味を理解した文章で音読をすること
「音読」というと、はじめて見る文章を使うイメージをもつ方もいるかもしれませんが、私はオススメしません。
ひとつ例を出すなら、答え合わせの終わったリスニングスクリプトの音読がオススメ。
- すでにリスニングをしているので発音や流れ、イントネーションもなんとなくわかっている
- スクリプト自体はすでに目を通しており、内容もすでに頭にある状態
- 何もわからない状態で適当に棒読みをする可能性が軽減する
上記のような試験対策に向けて音読を活用したい場合は、問題集のリスニングを終えた後に、リスニングスクリプトの音読をオススメします。
手本の音源があるというのは、音読や発音に慣れていない場合、大きなメリットとなります。
音読を終えて、さらにシャドーイングやリピーティング、オーバーラッピングにも簡単に移行できます
逆をいうと、試験対策に関わらず、初見の文章を音読するのはオススメしません。
概要、各単語の意味、文構造を理解したうえで音読は行うべき
意味のわからない文章を、ただ単に字を追って行う音読は1%も効果がありません。
学校の授業で行われた音読に効果がなかったのはコレが原因です。
母国語ではない英語だからこそ、一度内容を取った上での音読の方が効果的
英語の音読にはどんな文章を使うべき?おすすめの教材
極論、音読はどんな素材を使っても実現できますが、参考書や問題集を使ってやりたい!という方も多いはずです。
ここからは、音読トレーニングにオススメの参考書・問題集を2種類、そして試験対策向けの音読活用法を解説していきます。
みるみる英語力がアップする音読パッケージトレーニング
内容・評価 | |
概要 | 音読含めさまざまなトレーニングをパッケージ化 |
オススメ度 | (4.5) |
料金・コスパ | (4.5) |
対象 | 初級者~中級者 |
期待できる効果 | 異なるトレーニングを掛け合わせて上達スピードアップ! |
著者の森沢さん、かなり有名な方です。
中身はリピーティング、シャドーイング、リスニング、音読をパッケージ化するという内容
この一冊で、音読だけでなくさまざまな有名トレーニングを網羅できるのが特徴的。
音読だけでなく、体系的に段階を踏んで英語の練習をしたい方にとってはもってこい!
出版は2009年ですが、今でもコアなファンを抱えています
一応コチラの紫色のものは「入門編」ですが、中級編や上級者編もあります。
レベル別英語長文問題ソリューションシリーズ
内容・評価 | |
概要 | 3つのレベル別にわかれた長文問題集 |
オススメ度 | (4.5) |
料金・コスパ | (4.5) |
対象 | 初級者~中級者 |
期待できる効果 | 音読ありきで考えられている優れた設計 |
精読の記事でもオススメした、「レベル別英語長文問題ソリューションシリーズ」です!
- 音声ダウンロードつきで音読もラク!
- 構文解説が図解付きでわかりやすい
- ちょうどいい長さの英文
- 単語リスト付き
なんといっても長文問題集なのに、音声ダウンロード可能で、さらに音読も推奨されている点が素晴らしい問題集です。
大学入試レベルを想定された教材で、レベルは3つに分かれています。
- スタンダードレベル1:中堅私大レベル
- ハイレベル2:難関私大レベル
- トップレベル3:最難関私大、共通テスト満点を目指すレベル
入試向けの問題集ではありますが、内容もバッチリ濃いものとなっているので、英語初級者~中級者の方であればオススメできるものです。
2020年出版と、かなり新しい書籍である点もイイですよね!
試験対策に音読を活用したい方にオススメの方法
先ほども少し紹介しましたが
このような試験対策に音読を活用したい!と思っている方にオススメなのが「リスニングスクリプトの音読」です。
- すでにリスニングをしているので発音や流れ、イントネーションもなんとなくわかっている
- 内容もすでに頭にある状態
- 何もわからない状態で適当に棒読みをする可能性が軽減する
リスニングであったとしても、たとえばIELTSならIELTSっぽい題材、TOEFLならTOEFLっぽ題材を扱っているので、リスニングスクリプトを音読するメリットは大いにあります。
音読を終えて、さらにシャドーイングやリピーティング、オーバーラッピングにも簡単に移行できます
- 問題集や過去問でリスニング問題を普通に解く
- 答え合わせをする
- リスニングスクリプトを精読または、スラッシュリーディングする
- 音源を聞く
- スクリプトを音読する
ここまで徹底的にやれば、かなりの効果が期待できます!
試験対策では、どれほど徹底的に過去問や公式問題集をやり込めるかが勝負です!
「各試験でどんな問題集がオススメなの!?」という方は以下の記事をチェック!
英語の音読はアプリでもできる?おすすめ無料アプリを3つ紹介
「参考書や問題集よりアプリでやりたい」
最後は、このような方々のために、音読に活用できるおすすめアプリを3種類紹介します。
ざっくり英語ニュース!StudyNow
アプリを使って音読をするなら、ざっくり英語ニュースが一番ラク!
音声付きの記事が多いのが、もっとも注目すべき点です。
見た目は「ただのニュースアプリ?」と思うかもしれませんが、まったく違います!
ほとんどのニュース記事で音声付き(さらに速度変更可能)、段落ごとに日本語訳まで表示可能。
ワンタップで訳を表示できるので、適当に意味わからず音読するという最悪の状況を回避できます。
単語帳機能もついており、いうことなし!
まずどれをオススメする?と言われたら、現状コレが一番!
English AudioBooks – TEDで英語を学ぶ
iOSのみ対応ですが、TED Talkを素材にしたコチラのアプリも非常にオススメ。
ざっくりニュースアプリよりも、やや難易度は高めです。
英語学習界隈でも大人気の「TED」を素材として、音読できます。
スクリプトは
- 英語のみ
- 日本語のみ
- 英語+日本語
3種類から選択可能。
また、動画閲覧時にも、日本語訳を表示させることが可能。
TEDを使いたい!というiPhoneユーザーにはオススメ
レシピー(ポリグロッツ)
「ポリグロッツ」と言えば、知っている方も多いのではないでしょうか?
英語学習アプリでは、トップクラスに有名なものです。
リーディング機能付きのアプリとしては、かなりレベルが高いです。
リスニングできる記事、日本語訳のある記事などで絞り込むことも可能。
日本語訳付きのものは、対訳というわけではなく、英語版と日本語版が別々のページとして存在しているというイメージなので、やや面倒なのは否めません。
ただし、自動でスラッシュをいれてくれる機能や、タップするだけで単語の意味を出してくれる他のアプリには機能もあるので、ぜひお試しください!
音読単体で見るとそこまでですが、総合的にはとても優れたアプリです!
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